前回の記事では、Googleフォームに送られた回答をもとに、受付番号の自動付与や入金予定金額の計算、メール送信の自動化を行う方法をご紹介しました。
今回はその続きとして、「次年度の開催」や「新しい受付期間」に向けてフォームをリセットし、再スタートする方法を解説します。
この記事でわかること
- スプレッドシートとスクリプトの扱い方
- Googleフォームの回答をリセットする方法
- 受付番号を001から振り直す方法
- 注意点とおすすめの運用方法
回答を削除するとどうなる?
対象 | 状況 | 備考 |
---|---|---|
Googleフォーム | 回答数が0に戻る | 新しい回答を収集可能 |
スプレッドシート | 一切変わらない(削除されない) | 過去のデータはそのまま残る |
Apps Script | そのまま使える | 変更の必要なし |
つまり「フォームの回答をリセット」し、「古いスプレッドシートの内容を削除する」と覚えておけばOK!スクリプトを書き直さなくても、新たな受付がスタートできます。
フォームの回答をリセットする方法
手順:Googleフォーム上で回答を削除
- Googleフォームを開く
- 上部メニュー「回答」タブをクリック
- 右上の3点メニュー(︙)をクリック
- 「すべての回答を削除」を選択
- 確認ダイアログで「OK」をクリック
注意:この操作は元に戻せません。必要であれば、先にスプレッドシートをコピーしてバックアップしておきましょう。
スプレッドシートをリセット・準備する
Googleフォームとリンクしているスプレッドシートは自動では消えないため、別途リセットが必要です。
スプレッドシート側の作業
- 回答データ(2行目以降)を削除
- 手打ちで入力した列の名前(1行目のみ)をそのまま維持しつつ、内容だけ(2行目以降)を削除
ポイント
- ヘッダー行(1行目)は絶対に消さないこと!
- スクリプトは列番号で動いている場合があるため、列の順序も変更しないほうが望ましい
- シート名(”フォームの回答 1″など)もそのままにしておきましょう
スクリプトはそのままでOK?
はい、基本的にApps Scriptはそのまま使えます。
スクリプトでは、次のように常にシートの状態を読み込んで処理しています:
const data = sheet.getDataRange().getValues();
新たに回答があれば、自動で「001」から受付番号を振り直します。 スプレッドシートに過去の受付番号がなければ、自動的に nextId = 1
が最初に使われます。
よくある質問と注意点
Q. 過去のデータを保存したい場合は?
- 対処:スプレッドシートをコピーして「前年度用」として保存しておく
- コピー後、新しいシート名やフォーム連携をし直さないように注意
Q. Googleフォームも新しくしたほうがいい?
- 通常は「同じフォームを再利用」がおすすめ(トリガーやスクリプトを再設定しなくて済むため)
おすすめ運用フロー
- 前回分のスプレッドシートを複製(バックアップ)
- フォームの回答をすべて削除
- スプレッドシートの2行目以降を削除
- Apps Scriptやトリガーはそのまま維持
- 新しい参加者を受け付け開始!
まとめ
作業内容 | 操作場所 | 備考 |
---|---|---|
回答のリセット | Googleフォーム | 「すべての回答を削除」 |
受付番号・金額の初期化 | スプレッドシート | 2行目以降を削除する |
スクリプト | Apps Script | そのままでOK |
トリガー | Apps Script画面 | 再設定不要(そのまま) |
これで、新しい期の受付もスムーズにスタートできます!
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